西日の町/湯本香樹実(ISBN:416321190X)

「夏の庭」(ISBN:4101315116)で有名な著者です。
「子供」の主人公が、ぶっきらぼうでどこかそっけない老人と出会い触れ合っていく中で、自分の母や、大人の世界の苦悩を知っていく、という「夏の庭」、「ポプラの秋」(ISBN:4101315124)を継承しているような物語です。この作品では特に、老人があったことのない祖父であり、主人公だけではなくて、主人公の母とのかかわりも細かく描かれています。
おそらくこの著者の作品は読む人によって、どの立場で読むのかが違ってくるんじゃないかなあと思います。私はやっぱり「子供」としての立場でしか読めません。いつか別の立場で読めるようになってしまうのでしょうか。
個人的には、3冊の中では「ポプラの秋」が一番好きです。